NDAとは? 定義と想定されるリスク
NDAとは、取引や検討の過程で開示される秘密情報の取扱いについて定める契約です。守るべき情報の範囲や、情報を受け取った側が負う義務を明確にする役割を持ちます。
NDAのレビューでは、秘密情報を「何のために、どこまで保護する契約か」という前提を意識しておく必要があります。この前提を踏まえずにレビューを進めると、秘密情報の範囲を実態より狭く、あるいは広く解釈してしまったり、自社の立場と逆方向の視点でチェックしてしまったりするおそれがあります。
NDAのレビューでは、自社が「開示側」か「受領側」か、あるいは双方が情報を開示し合う「双方開示」かによって、注目すべき観点が変わります。開示側であれば秘密情報の保護範囲や第三者開示の制限、返還・廃棄、差止めなどを手厚くする方向で確認し、受領側であれば秘密情報の定義や管理義務、責任の範囲を過度に広げない方向で確認します。
NDAレビューのチェックリスト
NDAのレビューでは、秘密情報の定義、除外事由、利用目的、秘密保持義務の内容、返還・廃棄、有効期間、損害賠償・差止め、その他見落としやすい条項など、確認すべき観点が多岐にわたります。ここから一つずつ確認していきます。
秘密情報の範囲(定義)|口頭・視覚情報や契約前開示情報の扱い
- 秘密情報の定義が広すぎないか、狭すぎないか
- 口頭・視覚情報(会議、デモなど)が対象に含まれているか
- 契約締結前に開示された情報が対象に含まれているか
- 複製物・派生資料(分析メモ、要約など)が秘密情報に含まれるか
秘密情報の除外事由|公知情報・独自開発情報などの一般的な除外
- 「公知の情報」「開示前から保有していた情報」「独自に開発した情報」など、一般的な除外事由が定められているか
- 除外事由が自社の立場(開示側・受領側)に照らして広すぎ・狭すぎないか
- 除外事由の立証方法・立証責任が明確か
利用目的・目的外使用禁止|生成AIサービスへの入力可否も含めて確認
- 利用目的が具体的に記載されているか(抽象的すぎないか)
- 目的外使用禁止が明記されているか
- 生成AIサービス・外部ツールへの入力可否が整理されているか
秘密保持義務の内容|第三者開示の範囲と管理体制
- 開示可能な範囲(役職員、グループ会社、専門家、委託先など)が実務に見合っているか
- 情報の管理水準(善良な管理者の注意義務など)が現実的な内容か
- 再開示する場合の事前承諾手続が定められているか
返還・廃棄|対象範囲とタイミングの確認
- 返還・廃棄の対象・タイミング(契約終了時、目的終了時など)が定められているか
- 受領側の場合、法令上の保存やバックアップ上の例外が考慮されているか
有効期間・秘密保持義務の存続期間|情報の性質との整合性
- 契約自体の有効期間と、秘密保持義務の存続期間(契約終了後も一定期間継続するか)が別に定められているか
- 存続期間が情報の性質(技術情報か、陳腐化しやすい情報かなど)に見合っているか
損害賠償・差止め|賠償範囲と救済手段の実効性
- 損害賠償の範囲や上限の有無
- 差止請求権(漏えいのおそれがある場合に停止を求められる権利)が定められているか
- 「特別損害」「間接損害」など、賠償範囲の文言が自社の立場に照らして妥当か
その他見落としやすい条項|準拠法や付随義務の紛れ込み
- 反社会的勢力の排除条項の有無
- 準拠法・裁判管轄が自社にとって不利になっていないか
- 競業避止・従業員引抜禁止など、NDA本来の内容を超えた義務が紛れ込んでいないか
NDAのレビューに関するよくある疑問
審査前に依頼元に確認しておくべき情報には何がありますか?
取引の背景・目的、自社が開示側か受領側か、特に守りたい情報の有無などを依頼元(事業部など)に確認します。これらの前提を把握しておくことで、レビューの観点に優先順位をつけやすくなります。
相手方が作成したNDAを確認する場合、特に注意すべき点は何ですか?
相手方が用意したひな形は、相手方の立場(開示側寄り・受領側寄り)を反映した内容になっていることが少なくありません。まず自社の立場を踏まえたうえで、秘密情報の範囲、除外事由、損害賠償の範囲など、自社にとって不利になりやすい箇所を特にチェックすることが推奨されます。
チェックすべき項目が多く、確認漏れが心配なときはどうすればよいですか?
NDAのレビュー観点は多岐にわたるうえに案件数も非常に多くなりがちなため、人によるチェックだけでは確認漏れが生じる可能性があります。こうした負荷を軽減する選択肢として、AIによる自動レビューの活用が挙げられます。
「LegalOn」でNDAのレビュー観点を効率的にチェック
「LegalOn」の「レビュー」機能は、秘密保持契約を含む契約類型についてリスクや論点を短時間で自動抽出できます。あわせて、自社の審査基準を登録できる「プレイブック」機能を活用すると、自社固有の事情を踏まえた審査も可能になり、判断基準の属人化も抑止できます。NDAのレビューを効率化し、確認の精度を安定させたい場合に活用できますので、興味のある方はぜひ以下より詳細をご確認ください。
まとめ
NDAのレビューでは、秘密情報の範囲、除外事由、利用目的、管理体制、返還・廃棄、有効期間、損害賠償・差止めなど、確認すべき観点が多岐にわたります。自社が開示側か受領側かによって注目すべきポイントが異なる点も、レビュー全体を通じて意識しておきたい前提です。
相手方が作成したNDAであっても、自社の立場を踏まえて能動的に確認する姿勢が求められます。確認項目の多さから抜け漏れが心配な場合は、AIレビューの活用も選択肢の一つとなります。
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