案件管理システムとは
案件管理システムとは、営業担当者の持つそれぞれの案件の情報を登録し、管理するものです。営業部全体で共有ができるため、担当者が不在の場合でも安定したサービスやフォローが行えます。
案件管理にはExcelやスプレッドシートなどを使うことも可能ですが、営業担当者や案件数の多い企業の場合は、入力の手間がかかり人的ミスも起こりやすくなる点がデメリットです。営業案件の管理に特化した案件管理システムを使うことで、案件の基本情報はもちろん、リードや予実管理、受注確度、分析なども行えるため、業務の効率化をはかり課題や目標に対して適切な施策ができます。
案件管理システムで管理できる主な項目
案件管理で「何を記録・追跡すべきか」は、部門によって大きく異なります。営業部門では商談の進捗や売上予測が中心になる一方、法務部門では依頼内容の正確な把握とナレッジの蓄積が優先されます。以下では、それぞれの代表的な管理項目を整理します。
営業案件管理の場合
営業案件管理では、各担当者が抱える商談の進捗・金額・確度を組織全体で把握し、受注に向けた最適な行動を取るための情報を管理します。担当者ごとのバラつきをなくし、チームとして一貫した営業活動を行うために、以下の項目を記録・更新していくことが基本です。
- 案件名・顧客名:商談先企業・担当者名
- 担当者名:自社の担当者
- 取引額・受注確度:見積もり金額、成約可能性
- 進捗状況:初回接触→提案→見積→交渉→受注 などのステージ
- 受注見込時期:売上予測・予実管理に活用
- 案件化の経路:問い合わせ・紹介・展示会など
- 商談履歴・議事メモ:過去のやり取りの記録。担当者変更時の引き継ぎや次回提案の参考に活用
法務案件管理の場合
法務案件管理では、社内各部門から寄せられる依頼を漏れなく受け付け、対応状況を可視化しながら、対応内容をナレッジとして蓄積していくことが求められます。営業とは異なり「成約」がゴールではないため、依頼の性質・優先度・処理結果の記録が管理の中心になります。
- 依頼番号・案件名:案件を一意に識別するための管理番号と名称。検索・参照の基点
- 依頼部門・依頼者名:どの部門の誰からの依頼か。業務量の部門別分析や優先度判断に活用
- 依頼受付経路:メール・チャット・フォーム・口頭など。依頼の集約状況を把握するために記録
- 案件種別:契約審査・法律相談・コンプライアンス対応・紛争対応など。業務量の傾向分析に使用
- 対象契約書・関連書類:審査対象の契約書や参考資料。案件に紐づけて一元管理する
- 依頼内容・背景:何を、なぜ依頼しているかの詳細。対応の方針決定と記録の正確性に直結
- 対応担当者・対応状況:法務チーム内の担当者とステータス(受付済・対応中・完了など)。対応漏れ防止に活用
- 優先度・対応期限:案件の緊急度と回答期限。リソース配分と期限管理に使用
- 対応結果・回答:内容最終的な判断・アドバイスの記録。類似案件対応時のナレッジとして再利用
- 関連案件・類似契約書:過去の類似案件や関連する契約書へのリンク。対応品質の均一化と効率化に貢献
営業・法務どちらの場合も、管理項目を自社の業務フローに合わせてカスタマイズできるかどうかが、システム選定の重要な判断軸になります。
案件管理システムを使用するメリット
案件管理システムを使用するメリットには、次のようなものがあります。
- 各案件を可視化できる
- 業務の効率化
- 情報の紐付けができる
- 分析ができる
それぞれ詳しく解説します。
案件状況の可視化
案件管理システムを使えば、それぞれの案件の詳細が可視化できます。案件で取り扱う商品、取引先の担当者、受注確度、売上予測など、案件ごとの詳しい情報を管理できるため、必要なときにすぐに案件の進捗状況を確認できます。
各営業担当者へベストなタイミングで的確な指示を出したり、対応が遅れている案件を迅速にフォローしたりできるでしょう。また、担当者の引き継ぎを行う際も、案件管理システムですべて管理していれば漏れがなく情報を引き継げるため、担当者が変わっても顧客に対して前任者と同様の手厚いサービスを提供できます。
業務の効率化
案件管理システムを導入すれば業務の効率化をはかれます。それぞれの案件に関する情報がすべて揃っているため、案件の進捗状況や過去の案件を参考に現在進行している案件の施策案を考えられます。
また、最新の情報も管理できます。リードの獲得や顧客との商談設定などスピーディーに営業活動が行えるでしょう。案件管理システムの情報は営業部内で共有できるため、チーム全体の営業活動に役立てられます。
同一のリードや顧客へ複数の営業担当者がアプローチするような無駄を省き、売上や案件受注数の向上などにつなげられるでしょう。
情報の一元管理と紐付け
案件管理システムを使えば、登録した案件の情報すべてを紐づけられます。Excelで案件管理をする場合、案件の追加情報や変更があればその都度入力し直さなければいけません。複数の端末で同時に作業したり情報を管理したりすることもできないため、他のツールで管理している情報との紐付けが難しいのです。
しかし、案件管理システムなら自社のツールと連携して管理している情報を案件管理システムに取り込むことが可能です。案件管理を行うために1つ1つの情報を入力する必要がないため、コストや手間を減らせるうえ、入力ミスの心配もありません。案件ごとや営業担当者ごとなど、知りたい情報を自由に分類して確認できます。
業務分析による改善
案件管理システムがあれば、登録した情報を利用してさまざまな分析が可能です。現在の状況把握や過去の受注数の変動、商品ごとの売上、成約率の高い営業担当者のアプローチの手順など、あらゆる側面からデータの分析が行えます。
また、成功しやすい営業手法だけではなく顧客のニーズも分析できるため、より顧客満足度を高める商材やサービスの研究・開発にも役立つでしょう。
営業案件管理システムの種類
営業案件管理システムは大きく分けて以下の3つがあります。それぞれの特徴を解説します。
CRM
CRMはCustomer Relationship Managementを略したもので、顧客関係管理の意味です。顧客情報や顧客と企業の関係性、顧客の行動履歴などを管理して営業活動に役立てます。CRMには顧客との良好な関係を構築するために、顧客情報を管理する以外にもさまざまな機能が備わっています。
- 営業プロセス管理機能
- メール配信機能
- 顧客の問い合わせ管理機能
- データ分析 など
CRMは、顧客との関係に特化したシステムで、顧客とコミュニケーションを取れる機能もあるため、リードの獲得や顧客満足度の向上などにも活用できるでしょう。
SFA
SFAは、Sales Force Automationの略で、営業支援システムの意味があります。営業部門向けのシステムで、営業担当者が対応している現在の案件の進捗状況や顧客情報、商談日程、受注確度、売上予測などさまざまな情報を管理できるツールです。また、他にも次のような機能もあります。
- 行動管理
- 担当者の外出先でのサポート
- 営業日報
- 資料添付 など
SFAに登録した情報を活用すれば、営業力強化につながるでしょう。また、営業活動のプロセスを詳細に記録することで、属人化を防ぎチームによる営業が行いやすくなります。
業務改善プラットフォーム(ノーコード型)
業務改善プラットフォームとは、プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務フローや管理項目に合わせた業務アプリケーションを構築・カスタマイズできるツールです。既製のCRMやSFAでは自社の業務に合わない場合や、小規模からシステム導入を試したい場合に適した選択肢です。案件管理アプリとして活用する場合、主に以下のような機能を備えています。
- 管理項目・入力フォームの自由設計
- ワークフロー(承認フロー)の設定
- ダッシュボード・レポートの作成
- 既存システム(ExcelやGoogleスプレッドシートなど)からのデータ移行 など
業務改善プラットフォームは、独自の業務フローや管理項目に柔軟に対応できる点が最大の強みです。スモールスタートで導入し、運用しながら段階的に機能を拡張していけるため、初めてシステム導入に取り組む企業にも向いています。
どちらを選ぶべきか
3つのシステムはそれぞれ得意領域が異なるため、自社の導入目的と照らし合わせて選ぶことが重要です。「顧客との関係強化・リード管理」が主目的ならCRM、「商談進捗・売上管理」が主目的ならSFA、「自社独自の業務フローに合わせた柔軟な管理」を重視するなら業務改善プラットフォームが適しています。またCRMとSFAの両機能を兼ね備えた統合型ツールも多く、どちらの目的も満たしたい場合はそちらも検討に値します。
なお、法務・総務・プロジェクト管理など非営業部門での案件管理には、上記3種類では対応しきれない固有の業務課題が生じることがあります。依頼の受付経路の集約、対応履歴のナレッジ化、業務量の定量分析など、部門特有の要件がある場合は、業務特性に合った専用システムを別途検討することをおすすめします。
法務部門における案件管理の課題と対応策
法務部門では、一般的な営業向けシステムでは対応しにくい固有の課題があります。
法務特有の課題
- 依頼経路が分散している(メール・チャット・口頭・フォームなど複数経路)
- 進捗管理が担当者個人に依存し、チームとして状況を把握しにくい
- 案件の発生から締結までの検討過程がナレッジとして残らない
- 業務量・対応傾向を定量的に把握できていない
これらの課題は、営業活動の効率化を目的に設計されたCRM・SFAでは十分に解消できません。法務案件の受付・管理・ナレッジ蓄積・分析まで対応した専用システムを選定することで、業務の再現性と品質を高められます。
法務案件管理の課題をLegalOnのマターマネジメントで解決する
LegalOnのマターマネジメントは、法務案件の統合管理と継続的な改善を支える業務基盤です。「案件状況が分散して全体像を把握しづらい」「対応漏れや優先度判断が属人化している」といった法務特有の課題に対応しています。
主な機能と解決アプローチ
- 法務依頼の受付から回答・審査対応までを一元管理
- 案件の進行状況・優先度を一覧で把握し、対応漏れを防止
- 案件情報・契約書・関連資料を集約
- メール・添付ファイルを案件に自動紐づけ
- Slack・Microsoft Teamsなど外部ツールとの連携に対応
- 案件属性・本文内容での横断検索が可能
- 類似案件・契約書のAIレコメンド
- 依頼状況・対応内容の定量分析(レポート機能)
- AIによる案件要約機能(Business・Enterpriseプラン)
依頼の受付は、メール・フォーム・Slack・Microsoft Teamsなど既存のツールをそのまま利用できます。担当者は新たなツールへの切り替え不要で、依頼がLegalOn上に自動的に案件化されます。対応履歴がナレッジとして蓄積されるため、過去案件の参照・再利用も容易になります。
法務案件の一元管理・ナレッジ活用・業務分析を実現するLegalOnの製品資料をご覧いただけます。
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案件管理システムを選ぶポイント
案件管理システムを選ぶ際は以下のポイントを抑えましょう。
- 導入する目的を明確にする
- 費用相場を把握する
- 既存のシステムと連携できる
- 誰もが使いやすい
- モバイルで使用できる
- 万全なセキュリティ対策がある
詳しく見ていきましょう。
導入する目的を明確にする
案件管理システムを導入する目的を明確にしましょう。営業部門全体の業務の効率化をはかりたい、案件管理の手間を省いて担当者がコア業務に集中できる環境にしたいなど、案件管理システムを取り入れることで達成したい目標や解決したい課題を考えます。
導入目的が明確になれば、必要な機能は何かも見えてきます。自社に合う案件管理システムを選ぶ指標ができるでしょう。
費用相場を把握する
導入費用相場を把握しましょう。価格が安いだけで案件管理システムを選んでしまうと欲しい機能がなく使い勝手が悪くなる可能性もあります。
目的を明確にすれば、導入したい案件管理システムを絞り込めます。それぞれの案件システムを比較できるため、費用相場も把握できるでしょう。予算内でもっとも自社の業務に適したものを選びやすくなります。
既存のシステムと連携できる
自社がすでに導入している既存システムと連携できるか確認しましょう。連携ができないと、案件管理システムにすべての情報を入力し直さなければいけません。手間や人的コストがかかるうえ、入力ミスのリスクも高まります。
Webカレンダーや名刺管理などの既存のシステムと連携できれば、入力の手間が大幅に削減でき、情報を紐付けられます。
誰もが使いやすい
案件管理システムは、営業担当者全員が使いやすいものを選びましょう。操作がしづらかったり画面が見づらかったりすると営業担当者が使いにくいと感じ、導入しても定着しない可能性があります。
必要な機能があり、画面が見やすく操作がシンプルなものなら、営業担当者も早く使いこなせるようになります。
モバイルで使用できる
アプリなどを使いモバイルで使用できる案件管理システムがおすすめです。営業担当者は、外回りも多いため、移動中や商談前などにパソコンを開かなくても案件を確認できるシステムがあると便利です。業務の負担を減らし、営業活動をサポートしてくれるでしょう。
万全なセキュリティ対策がある
案件管理システムのセキュリティを確認しましょう。顧客情報や行動管理、受注確度など自社にとって重要な情報を取り扱うツールです。会社の資産を守り、社会的信用度を損ねないためにも万全なセキュリティ対策のあるものを選ぶべきです。
まとめ
案件管理システムは、営業担当者の持つ各案件の情報を取りまとめて管理できるツールです。顧客情報や受注数、売上など案件に関する詳細がすぐに分かり、営業部門全体で共有できるため、必要なときに必要な情報をスピーディーに入手して営業活動の質を高められます。
自社のシステムと連携できる案件管理システムを導入すれば、業務の効率化をはかれるだけではなく、情報の紐付けによってさまざまな角度からの分析が可能です。
案件管理システムの導入を検討する際は、目的を明確にし自社に必要な機能のあるツールを選びましょう。無料トライアルを利用し、使いやすさも確認してください。



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