5年で案件数が4倍に 少人数体制の業務を高度化し、法務人材の早期育成も支える「LegalOn」活用術
TDCソフト株式会社
- 法務課題:案件数が5年で4倍に増加し、属人的な受付・Excel管理や紙中心の契約管理により工数増大、品質維持が困難な状況に
- 導入経緯:業務効率化と審査精度維持、限られた人員での対応力強化を目的に「LegalForce」から「LegalOn」へ移行し機能を統合活用
- 導入効果:受付一本化と情報集約により作業工数を約4分の1に削減、増員なしで案件増に対応し業務標準化と教育効果も実現
- 活用事例:マターマネジメントで案件管理、レビューで審査品質向上と育成、コントラクト管理で検索性向上、ユニバーサルアシストで英文契約対応
TDCソフト株式会社は、企業向け業務アプリケーション開発からITインフラの構築まで幅広いソリューションを提供する東証プライム上場の独立系システムインテグレーターです。同社は業務効率化のため2021年9月にAIレビューサービス「LegalForce」を導入。2025年11月に法務AI「LegalOn」へ移行し、「マターマネジメント」「レビュー」「LegalOnテンプレート」「コントラクトマネジメント」「ユニバーサルアシスト」の各モジュールを活用しています。法務業務を担当する総務部のお二人に、LegalOnの具体的な活用方法や導入効果などについて伺いました。
少数精鋭の体制で法務実務を担当
御社の事業内容について教えてください。
― 当社は1962年創業の独立系システムインテグレーターです。金融、製造、流通、公共など幅広い分野でシステム開発・運用を手掛け、特に金融向けITソリューションやクラウド導入支援に強みがあります。
現在は中期経営計画「Be a Visionary System Integrator」を策定し、社会課題がより複雑化する中、一歩先の未来に向けた先見性を磨き、卓越した開発技術とサービスを提供していくことで、お客様の唯一無二の存在となり長期的な成長の実現に邁進しています。
法務部門の体制や業務内容はいかがでしょうか。
― 当社の法務部門は、主な業務である契約審査に加え、法務相談への対応や社内研修資料の作成も行っています。最近は海外展開や新規事業のスキーム検討といった案件も増えており、少数精鋭で多岐にわたる業務に対応しています。
また、総務部所属のため、法務以外にファシリティ管理、株主総会・取締役会の事務局運営、知財管理なども兼務しています。繁閑により多少の増減はありますが、法務と総務の業務割合はほぼ半々です。
担当メンバーの法務キャリアを教えてください。
― (総務部シニアチーフの方)前職は司法書士・行政書士事務所での勤務を経た後、機械メーカーに勤務していました。TDCソフトへは2021年に入社し、現職を務めています。事業会社での企業法務経験は当社へ入社してからで、今年で6年目になります。
― (総務部チーフの方)私は法学部を卒業後、前職は広報として株主総会実務などに携わってきました。当社への入社が法務キャリアのスタートで、現在はシニアチーフの指導を受けながら実務を通じて専門性を習得しています。
どのような契約類型を扱うことが多いのでしょうか。
― 秘密保持契約(NDA)と業務委託契約が全体の約半分を占めます。特に近年力を入れている社内研修に関連するコンサルティング契約、業務委託契約、人材紹介契約などが増えています。
契約件数は、5年前は年間40件ほどでしたが、2024年度は160件を超え、直近5年で4倍以上に増加しました。難易度の高い非定型契約も多く、従来体制のままでは審査精度を維持しながら対応し続けるのが困難な状況でした。
アナログ管理による「組織の限界」が課題に
LegalOn導入以前のフローや課題についてお聞かせください。
― 以前は受付窓口が一本化されておらず、依頼はメールやTeams、時には口頭で直接届くこともありました。案件の振り分けルールもなく、基本的には受け付けた担当者がそのまま審査を行う属人的な流れでした。
具体的には、届いた依頼内容を私たちがまず確認し、手作業でExcel管理台帳に内容を転記します。審査に必要な情報が不足していれば依頼者ヒアリングを行い、回答を再度台帳に入力する……という一連の作業は大きな負担でした。その後、LegalForceでレビューを行い、懸念がある場合や特殊な案件のみダブルチェックをします。修正案は依頼部門へ戻し、先方と交渉してもらうというフローです。
また、契約書管理については、以前は紙ベースの契約書管理が中心で、リスク管理の観点からも見直しが必要な状況でした。
この業務量をお二人で担当するのは相当な負担だったのではないでしょうか。
― そうですね。以前はアナログな管理体制だったため、メールでの依頼受付や台帳への手入力など、一連の作業が大きな負担となっていました。目の前の作業に追われ、今後の事業拡大を見据えると、本来注力すべき法的検討の時間をいかに確保するかが急務となっていました。
LegalOnへの集約で作業工数はおよそ4分の1に
LegalOn導入後、業務フローはどう変わりましたか。
― LegalOn導入後は、契約審査案件の受付窓口を「マターマネジメント」の案件受付フォームに一本化しました。契約類型ごとに必要な記入項目を設定したフォームを社内イントラに設置したことで、依頼時の情報の抜け漏れが劇的に減少しました。依頼部門とのやり取りもシステム内で完結し、情報散逸のストレスは解消されました。
「マターマネジメント」の案件受付イメージ。案件受付は専用フォームやメールなどから可能で、受付次第自動で案件化されます。受付内容は案件一覧画面で可視化され、担当者・ステータス・納期ごとに整理できます。(※ 画像はイメージです)
案件の振り分けは私が全体の負荷を見て行っています。法務未経験だったメンバーも「レビュー」機能を活用することで急速に知識を習得し、現在は難易度を問わず案件を任せられるようになりました。総務部内の締結済み契約書については「コントラクトマネジメント」で管理し、過去案件の検索も容易になりました。
LegalOn導入前後の契約書管理フローの変化
LegalOn導入による成果・効果を教えてください。
― 案件数が4倍になったにもかかわらず、担当者数を増やすことなく対応できています。実質的な作業工数は、かつての4分の1程度にまで圧縮できている実感があります。
また、法務キャリアの浅いメンバーにおいては、AIレビューを活用することで、法務特有の細かな審査観点を網羅的に確認できるようになり、実務を通じた学習効果も実感しているようです。
ナレッジの共有や業務平準化という面で導入メリットは感じますか。
― はい。以前は社内に統一されたチェックリストが整備されておらず、審査が属人化していました。LegalOn導入後は、「レビュー」機能により共通の観点でチェックが可能になり、業務の標準化が大きく進みました。
「マターマネジメント」では、過去契約の経緯や自社独自の審査観点を紐付けて保存できるため、メンバーへの情報共有が非常にスムーズでした。教育的メリットも大きく、効率的なナレッジ継承が可能になりました。
「ユニバーサルアシスト」はどのように使っていますか。
― 海外製品の調達に伴う利用規約のチェックなどに利用しています。以前はネット検索で時間をかけて調べていましたが、現在は「ユニバーサルアシスト」で和訳、英米法特有の条項をAIレビューで確認するなどしています。未知の領域におけるリスクの早期把握に非常に効果的です。
多言語翻訳・AIレビューを可能にする「ユニバーサルアシスト」。条文単位・全文単位で自然な訳文を生成し、実務にそのまま活用できる品質を実現します。さらに対訳表をExcel形式で出力可能です。(※ 画像はイメージです)
リーガルテックを味方に「一歩先の提案」ができる法務組織へ
今後のビジョンや展望をお聞かせください。
― 全社的にAI活用が進む中で重要なのは、「人間がテクノロジーをどう使いこなすか」です。AIの進化は目覚ましいですが、人間の仕事が完全に置き換わるわけではありません。今後はLegalOnのような特化型AIと汎用的な生成AIを併用し、蓄積データと技術を価値に変えていく力が問われます。私自身もテクノロジーへの習熟を深め、事業の変化に即した「一歩先の提案」ができる法務人材を目指します。
最後に、LegalOnはどのような企業におすすめですか。
― やはり人手不足に悩む企業で、少人数の法務部門には強くおすすめしたいです。限られたリソースで精度を落とさず、攻めの法務を実現したい担当者にとって、これ以上ない心強いパートナーになるはずです。
(取材日:2026年2月)※掲載内容は取材当時のものです。