ツールを跨ぐストレスと手間を解消 契約情報を「資産」に変えて業務負荷を3割削減
株式会社ソフトクリエイトホールディングス
経営管理本部 法務部 課長代理 岸上美穂子 様 経営管理本部 法務部 丹羽拓喜 様
- 法務課題:属人的な案件管理と低い検索性により、情報共有不足や対応漏れリスクが存在
- 導入経緯:既存システムの非効率を背景に、契約業務を一元化できる将来性と操作性を評価しLegalOnへ移行
- 導入効果:契約書と交渉履歴の一元管理により検索工数を削減し、業務負荷を体感で約3割削減
- 活用事例:マターマネジメントや比較機能、プレイブック活用により案件管理・レビュー精度向上とナレッジ蓄積を実現
ECサイト構築やインターネット広告運用、デジタルマーケティングなどを通じて企業のDXを支援する株式会社ソフトクリエイトホールディングス。属人的な案件管理と情報検索の非効率を改善するため、2021年11月に「LegalForce」「LegalForceキャビネ」を導入しました。2025年7月には法務AI「LegalOn」へ移行し、現在は「マターマネジメント」「レビュー」「LegalOnテンプレート」「コントラクトマネジメント」の4モジュールを活用して、契約業務を一気通貫で管理する体制を構築しています。法務部の岸上美穂子様と丹羽拓喜様に、業務負荷を3割削減した具体的な活用方法や、情報を「資産」に変える運用の工夫について伺いました。
法務4名で月100件の審査依頼に対応
(写真左から)岸上様、丹羽様
御社の事業内容について教えてください。
岸上様 当社は、ITインフラ構築やセキュリティ対策、クラウドサービス、ECサイト構築などを幅広く展開するソフトクリエイトグループの持株会社として、グループ全体の経営管理を担っています。最近は越境ECビジネス支援を強化しており、他社と連携した包括的なサポート体制の構築を進めています。
法務の組織体制はどうなっていますか。
岸上様 法務部は現在、経営管理本部長を含め4名体制です。私は大学卒業後、法律事務所で19年間パラリーガルとして勤務してきました。企業法務をはじめ、訴訟、離婚、相続、成年後見など幅広い案件に携わった後、1年ほど前にソフトクリエイトホールディングスに籍を移しました。
丹羽様 私は法学部を卒業後、2年間ロースクール(法科大学院)に通いました。その後、新卒で当社に入社し、現在は2年目になります。
法務部では具体的にどのような業務をされていますか。
岸上様 契約書レビューや締結済み契約書の管理、法律相談対応などが中心です。グループを含め、事業部門からは月平均100件ほどの審査依頼があります。
丹羽様 それに加えて、知的財産管理やM&A関連業務なども外部専門家と連携して行っており、最近は官公庁への入札参加資格申請などの行政手続も増えております。なお、株主総会などのガバナンス業務は、別部署が担当しています。
どのような契約類型を取り扱うことが多いですか。
丹羽様 システム開発や開発支援関連の契約が中心で、NDAや業務委託契約(基本・個別)が多くなります。他社のITツールも提供している関係で、顧客紹介や販売代理店契約も頻繁に締結します。多角的なITサービスを展開している分、契約類型も多岐にわたります。
ナレッジの共有と検索性に課題

リーガルテック導入の経緯を教えてください。
丹羽様 以前使用していたのは法務専用のシステムではなく、入力ルールも未統一で案件管理が煩雑でした。検索性も低いうえ、チーム内での進捗共有も不十分で、対応漏れのリスクがありました。そこで法務に特化し、将来的にも発展性のあるシステムへの移行を検討しました。複数のサービスを比較検討した結果、業界最大手で安心感のある「LegalForce」と「LegalForceキャビネ」を、2021年11月に導入しました。
2025年7月には「LegalOn」へ切り替えられましたね。
丹羽様 契約書数の増加に伴いLegalForceキャビネのプラン変更を検討していた際、営業担当の方からご紹介いただきました。同一サービスで契約業務を完結できる点と、今後のアップデートがLegalOn中心になるという点を重視して切り替えを決めました。現在は「マターマネジメント」「レビュー」「LegalOnテンプレート」「コントラクトマネジメント」の4モジュールを活用しています。
数あるツールの中から、LegalOnを選んだ決め手は何でしたか。
岸上様 LegalForce製品をすでに利用していたので、当社の業務との親和性の高さ、そして使い慣れた操作性を重視しました。トライアルで感動したのは、案件受付から契約書管理まで一つのプラットフォームで完結する点です。以前は製品間の切り替えが必要でしたが、その手間とストレスが解消され、業務が非常にスムーズになりました。締結済み契約書の管理面では、スキャンした締結済み契約書をOCR(光学文字認識)で読み取る際の精度向上が実感できたことが決め手でした。
契約書の作成・レビュー・交渉・締結後の管理まで、契約業務を一気通貫で支援するLegalOn。複数のAIエージェントが協働することにより、業務の効率化だけでなく、一部の煩雑な業務の遂行まで可能です。
ツールの移行にハードルはありましたか。
丹羽様 LegalOn導入後も事業部側の依頼フローを維持したため、大きな混乱はなく移行できました。データ移行作業中は新旧データが混ざらないよう社内周知するなどの対応が必要でしたが、全体としてはスムーズに移行できたと感じています。
1クリックで必要な情報にアプローチ

LegalOnの導入前後で、業務フローはどう変わりましたか。
丹羽様 事業部門からの依頼は法務部宛のメーリングリストで受け付け、部長が内容を確認してメンバーへ振り分けるという大枠の流れは変わりません。担当者は必要に応じてヒアリングを行い、「レビュー」機能でリスク抽出や修正案の作成を行います。その後は部長が二次チェックを行い、依頼部門へ回答を戻すという流れです。
相手方との合意形成は、依頼部門が担当し、場合により本部長・経営層が判断します。その後、電子署名や押印で締結した最終版の契約書は法務部へ回付され、私たちがデータ化して「コントラクトマネジメント」へ登録します。原本は基本的に法務部で管理していますが、グループ内の一部企業では独自に保管・管理しています。
LegalOn導入後、どのような成果・効果がありましたか。
丹羽様 締結後に過去の案件を容易に遡れるようになりました。同じ企業の別案件でのやり取りや、担当者変更時の経緯確認など、過去の交渉ログがすべて同一ツール内に蓄積されているメリットを実感しています。以前は関連情報を探す際、ツールを跨ぐ手間がありましたが、LegalOnでは契約書と交渉履歴が紐付いており、1クリックで必要な情報に辿り着けます。
おかげで資料探しなどの付帯作業ではなく、契約内容の精査という本来フォーカスすべき業務により多くの時間を割けるようになりました。精神的・時間的負担が軽くなり、体感で3割ほど業務が効率化した感覚です。また、「正確に登録すれば後の仕事に活かせる」という実感が、チーム全体のデータ蓄積に対するポジティブな動機付けにもつながりました。
岸上様 関連書類や稟議資料も契約書に紐づけられる点が非常に便利です。誰の決裁か、ひな形外の審査かどうかといった審査経緯も容易に確認できます。同一企業との複数契約も簡単に追跡でき、更新時の振り返りもスムーズです。
契約管理の精度と効率が向上

特によく使う機能や、便利な活用方法はありますか。
丹羽様 修正案との差分確認や稟議添付の契約書が最新版か確かめる際に「比較」機能が役立っています。PDFで届いた契約書をWordに変換したり、OCRで文面をコピーしたりできる点も非常に助かります。
また、現在はテスト運用中ですが、案件数が多いNDAや業務委託契約を中心に「プレイブック」の整備を進めています。当社として絶対に押さえるべき重要ポイントを漏れなくチェックできるため、ヒューマンエラー防止とレビュー効率化の両面で効果を実感しています。
岸上様 「マターマネジメント」で、メールなどのやり取りを案件ごとに集約できる機能が便利です。散在しがちな過去の経緯を、案件に紐づけて把握できるようになりました。個人的には、新旧契約書の修正箇所をタイムラインに箇条書きでメモし、稟議時に「合意の経緯」を端的に伝えるための材料にしたり、依頼部門へ修正意図を分かりやすく説明したりする際に活用しています。
契約書の管理面ではどのような工夫をされていますか。
丹羽様 マターマネジメントで契約書を管理する際、担当者や契約開始日などの管理項目を登録できますが、「契約カスタム項目」機能で自社独自の管理項目を設定しています。具体的には、「やり取りの回数」を項目に追加しました。交渉回数が多い案件は難航している可能性が高いため、これらを抽出して法務会議で重点的にチェックするようにしています。
岸上様 法務の手を離れた「社内稟議中」や「締結作業中」の案件も追跡できるようカスタマイズしました。こうした案件は状況把握が難しくなりがちですが、契約カスタム項目を活用することで、契約書の回収漏れや締結漏れを防げます。
「コントラクトマネジメント」では契約書に対して任意の管理項目(契約カスタム項目)を追加・設定することが可能。稟議番号や店舗名など、自社の都合に合わせた自由な設定が可能。契約カスタム項目は抽出ルールを指定することでAIによる自動抽出対象とすることもできます。(※ 画像はイメージです)
条文の抜け漏れなどは減りましたか。
岸上様 既存条項の修正は比較的気づきやすいですが、本来定めるべき条文が最初から欠落している場合、条項数が多い契約書ほど見落としのリスクがありました。LegalOnでは必須条項の抜けもプレイブックやアラートで網羅的にチェック可能になり、審査精度が向上しました。
丹羽様 例えば反社条項などは、後から「入っていなかった」となれば、再締結が必要になることもあります。システム開発の請負契約は50条、30ページを超えることも珍しくなく、長文契約書で欠落条項を見逃すリスクが大幅に減りました。「丸ごと抜けている部分」を見逃しにくくなる点は、実務において非常に大きなメリットです。
社内に眠るデータを「知的財産」に

組織としての今後のビジョンを教えてください。
岸上様 LegalOnへの移行により、多くの機能が活用できるようになりました。今後は既存の運用を維持しつつ、改善の余地がある部分については新機能を積極的に試し、業務を最適化していきたいと考えています。こうした取り組みを通じて事業部門へのレスポンスを速め、グループ全体のビジネスを加速させる法務体制を目指します。
AIエージェントなどの進化に対し、期待していることはありますか。
丹羽様 御社の戦略説明会で、2026年はAIエージェント機能をより強化する年になると伺いました。LegalOnの強みは、独自機能とAI精度の向上という「掛け算」による圧倒的な発展性にあると考えています。
これまでもLegalOnの頻繁なアップデートを体感してきましたが、AIが社会のあり方を根本から変えつつある今、さらに加速的に進化していくはずです。今後は私たちが想像もできないような、全く新しい法務業務のあり方が提示されるのではないかと、その進化に大きな期待を寄せています。
LegalOnをどのような企業におすすめしますか。
岸上様 過去のデータを体系的に整理し、活用すれば、その価値は10倍にも100倍にも膨らみます。蓄積された情報を「有機的な知的財産」へと再構築するには、LegalOnのような統一プラットフォームが不可欠でしょう。企業規模を問わず、社内に眠っている過去の契約書や案件情報を「資産」として十分に活かしきれていないと感じている企業には、ぜひ導入を検討してほしいですね。
(取材日:2026年3月)※掲載内容は取材当時のものです。