LegalOn導入で審査時間が半分に 働きながらナレッジをキャッチアップ
株式会社モスフードサービス
経営サポート本部 コーポレートオペレーション部 法務・総務・アセットマネジメントグループ 神谷彩 様 経営サポート本部 コーポレートオペレーション部 法務・総務・アセットマネジメントグループ 太郎良怜香 様
- 法務課題:法務担当2名体制というリソース不足の中、月100件規模の契約審査を経験の浅いメンバーで対応する必要があった点。
- 導入経緯:人員減少と教育時間不足を背景に、実務を通じて知識を補完できるAI契約書レビューに着目し、LegalForce導入後、LegalOnへ移行した経緯。
- 導入効果:賃貸借契約を中心に契約審査時間が約半分に短縮。リスク指摘の根拠提示によりレビュー品質と担当者の自信が向上した点。
- 活用事例:レビュー機能による一次チェック、AI Reviseによる修正文案自動生成、LegalOnテンプレートを用いた契約書・周辺書面作成の効率化。
日本発祥の人気ハンバーガーチェーン「モスバーガー」を国内外で展開する株式会社モスフードサービス。2019年よりAIレビューサービス「LegalForce」を導入、後継である法務AI「LegalOn」への移行後も「レビュー」「LegalOnテンプレート」の各モジュールをご利用いただいています。法務業務を担当する経営サポート本部の神谷彩様と太郎良怜香様に、LegalOnの具体的な活用方法や便利な機能、導入効果などについて伺いました。
多様なバックボーンを持つ法務メンバー
経営サポート本部 コーポレートオペレーション部 法務・総務・アセットマネジメントグループ 神谷彩 様
御社の事業内容について教えてください。
神谷様 当社は1972年に誕生した「モスバーガー」を主力ブランドとして、ハンバーガーを中心とした外食事業を国内外で展開しています。創業以来、「おいしさ」と「安全・安心」を何より大切にし、地域に根ざした店舗運営や商品づくりを続けています。現在は日本国内に1300店舗以上、アジアを中心に海外にも約400店舗を展開し、食を通じて人と社会に貢献することを目指しています。
法務部門の組織体制について教えてください。
神谷様 法務業務は、経営サポート本部・コーポレートオペレーション部の「法務・総務・アセットマネジメントグループ」が担っています。グループ全体で正社員9名、派遣スタッフを含めて11名の体制で、そのうち法務担当は4名です。私は2016年から法務業務に携わっており、昨年司法試験に合格し、今はチームのまとめ役を担っています。メンバーのバックボーンはさまざまで、子会社で取締役経験を持つベテランや、総務やアセット業務を経験してきたメンバーがおり、それぞれの知見を生かしながら業務にあたっています。
どのような契約類型が多いのでしょうか。
神谷様 店舗に関連する賃貸借契約が最も多く、次いで秘密保持契約(NDA)、業務委託契約、売買契約等が続きます。システム開発契約や商標ライセンス契約、コンサルティング契約も定期的に発生します。扱う契約は月におよそ100件ほどです。複雑な店舗関連の契約はベテランが、NDAなど比較的定型的な契約は他のメンバーが担当するなど、難度に応じて振り分けています。
リソース不足の現場で生じた課題感
経営サポート本部 コーポレートオペレーション部 法務・総務・アセットマネジメントグループ 太郎良怜香 様
2019年に「LegalForce」を導入されましたが、当時はどのような課題がありましたか。
神谷様 当時は中核メンバーやベテランが異動や退職で抜け、法務担当は2名体制。私はまだ経験が浅く、もう一人は店舗から異動してきた新人でした。通常であれば、書籍やセミナーなどで契約審査に関する知識をキャッチアップしながら徐々に実務に入るものですが、そのような時間もありません。そんなときに、AI契約書レビューの存在を知りました。そして、実務の中で知識を確認しながら審査できる点に魅力を感じ、導入を決めました。
現在の契約審査の業務フローについて教えてください。
神谷様 契約審査依頼は社内の稟議申請システムを通じて届きます。依頼内容を確認後、担当者を割り当て、各担当が一次チェックを行った上で私がダブルチェックします。結果を依頼部門に返却し、依頼者が相手方と交渉、契約条件が固まった後は依頼者が稟議起案・決裁を受けて契約締結します。依頼者が押印申請後、押印は当部門で対応し、契約双方の押印完了後は会社保管分の原本を依頼者から回収して当部門で管理しています。
契約は電子化も進んでいますが、賃貸借契約を中心にまだ紙が多く、電子契約データは共有サーバー、紙の場合はオフィス内のキャビネットで管理しています。締結済みの契約書は、エクセルで台帳を作成して管理しています。
太郎良様 一次レビューでLegalOnのレビュー機能を使用しています。審査依頼された契約書のうち、判断が難しいものについてはまずLegalOnにかけます。そして、その結果をもとに、修正が必須の箇所だけでなく、担当部署側で注意すべき条文や相手方に確認してほしい箇所などにもコメントをつけます。
LegalOn導入前後の契約書審査フローの変化
契約審査依頼の受付はどのようにされていますか。
神谷様 以前はメールや口頭での受付が中心で、紙の契約書を渡されて依頼されることもありました。そのため誰が何を担当しているかや進捗など全体の把握が難しく、個人プレーになりがちでした。現在は基本的に申請システム経由で依頼が集まり、それを担当者に振り分ける運用に変わりました。
「レビュー」機能により賃貸借契約の審査時間が半分に

レビューでは、どのような効果を実感されていますか。
太郎良様 AI契約書レビューを導入後、契約審査にかかる時間は大幅に短縮されました。特に、取り扱い件数が最も多い店舗に関する賃貸借契約については効果が顕著です。この契約では契約期間や解約条件、原状回復、修繕義務など、事業運営に直結する条文が多く、条文同士の関係も含めて確認する必要があります。そのため、一つひとつの条文を読み込まなければならず、確認にはどうしても時間がかかります。この手間が、レビュー機能を使うことで半分ほどに短縮されました。加えて、AIがリスク箇所や法令違反の可能性を、根拠を示しながら指摘してくれるため、注意すべき箇所も自信を持ってコメントできるようにもなりました。
「レビュー」モジュールの結果画面。指摘事項内の[関連情報]をクリックすると、指摘理由や法的背景を確認できる。(※ 画像はイメージです)
レビュー機能を使う中で特に便利だと感じる点はありますか。
太郎良様 先ほどAIが指摘の根拠を示してくれることをお伝えしましたが、この根拠を読むことが、自身のナレッジのキャッチアップにも役立っています。それだけでなく、LegalOnのヘルプから学習支援メディアの「契約ウォッチ」にアクセスでき、初めて目にする条文やリスクの考え方も学べます。LegalOnを使っていると、実務の中で知識を補いながらレビューできる点が助かります。
神谷様 差分比較機能が便利です。最終版と締結前を比較し、条文や規定の変更点を一目で確認できるからです。LegalForce時代からAI契約書レビューを使っていますが、テクノロジーの進化で年々指摘の妥当性や精度が向上していっていると感じます。
お気に入りの機能や今後使いたい機能はありますか。
太郎良様 お気に入りは「AI Revise」です。契約リスクチェックの指摘を踏まえ、契約書特有の表現や構文に沿った修正文案を自動生成してくれる機能です。修正文案はワンクリックで契約書に反映可能で、その契約書にふさわしい表現や構文、法的表現を自分でいちから考える必要がなく、初心者でも安心です。
AI Reviseは、アラートで指摘されたリスク内容に沿って、修正後の条文案をAIが提示する機能。ゼロから文案を考える必要がなく、修正方針の検討と反映をスムーズに行える。(※ 画像はイメージです)
神谷様 現状、自社ひな形はありますが自社基準をチェックリストなどにまとめたものはないので、LegalOnの「プレイブック」機能を活用できればいいと考えています。
契約書以外のひな形も揃う安心感

LegalOnテンプレートに格納されているひな形は、どのように活用いただいていますか。
神谷様 担当部署から「こういう案件があるのだが関連契約書のひな形はないか」と相談されることがあり、その際にNDAや業務委託契約、コンサルティング契約、商標使用許諾契約などのひな形を活用しています。
自社にもこうしたひな形はあるのですが、どちらかというと汎用性を重視した最低限の条文を押さえたシンプルなものです。そのため、条文構成や論点がより網羅的なLegalOnテンプレートのひな形のほうが適切だと考え、そちらを使っています。案件によって多少アレンジはしますが、ゼロから作る必要がなく、効率面でも安心感の面でも助かっています。
また、LegalOnテンプレートに収録されている中立的なひな形を、先方から提示された契約書と比較する使い方もしています。両者を比較することで、どの条項が自社にとって不利なのかが把握しやすくなり、不慣れな契約類型でも、ポイントを押さえて迅速にレビューできると感じています。
契約書以外のひな形は役立ちましたか。
神谷様 契約書以外のひな形も役立っています。示談書や誓約書、申入書など、一から作ると手間がかかる書面も、LegalOnテンプレートのひな形をベースに作成できます。イレギュラーな依頼でも、まずテンプレを探せば対応できるので非常に助かっています。
担当部署との連携強化で目指す「攻め」の法務

リーガルテックの活用を含め、組織としての今後のビジョンを教えてください。
神谷様 AIは法務業務でどんどん活用すべきだと考えています。AIが得意な作業は任せる方が正確で効率的です。ただし、一般的なAIは法務に特化していないため、情報の信頼性は自分で判断する必要があります。法務に求められる「正確性」と「スピード」が担保された専門ツールを活用することで、契約書チェックの効率化だけでなく、担当部署と連動した提案業務にも時間を割けるようになるため、「攻め」の法務を実現できると考えています。
LegalOnをどのような企業にすすめたいですか。
神谷様 経験の浅いメンバーに法務業務を任せる必要がある企業におすすめします。レビュー機能を使えば実務の中でAIの指摘を確認しながら学べるため、新人の法務スキル向上を大幅に短縮できます。効率的にナレッジを蓄積しつつ、チーム全体で契約審査品質を向上させたい企業に最適です。
太郎良様 法務経験の少ない新人が気負うことなく業務に入れる点で非常に役立ちます。レビュー機能で条文やリスクを理由とセットで学び、納得した上で相手に説明できるようになります。実務を通じて必要な知識をその都度学べ、効率的に経験を積みつつ法務の醍醐味に早く触れられる点が大きな魅力です。
(取材日:2025年12月)※掲載内容は取材当時のものです。