16時までの依頼は100%即日回答 情報の集約と可視化で「高度な法的判断」に専念できる体制へ
株式会社MCEAホールディングス
総務部 部長 兼 経営企画部 経営企画課 森岡 太郎 様 総務部 リーダー 塚本 真央 様 総務部 梶本 ゆう子 様
- 法務課題:契約審査の属人化やナレッジの未整備、依頼経路の分散による進捗管理の困難、情報不足による手戻りの発生
- 導入経緯:レビュー精度とAIによる修正作業の効率化、案件情報の蓄積による属人化解消を評価しLegalOnへ切替
- 導入効果:AIエージェント活用で案件管理関連業務約30%削減、案件クローズ速度約2割向上、16時までの依頼は即日対応率100%を実現
- 活用事例:マターマネジメントで案件管理を一元化、レビュー機能とOne click AI Reviseで審査効率化、テンプレートや比較機能で契約・規程整備を高度化
ITフリーランス支援の株式会社PE-BANKやシステム開発のアスノシステム株式会社などを傘下に持つ株式会社MCEAホールディングス。グループ全体の生産性向上を目的に、2023年にAIレビューサービス「LegalForce」、2024年にAI契約管理システム「LegalForceキャビネ」を導入しました。その後、2025年9月に法務AI「LegalOn」へ切り替え、現在は「マターマネジメント」「レビュー」「LegalOnテンプレート」「コントラクトマネジメント」の各モジュールを活用しています。グループ全体の法務を担う総務部の森岡様、梶本様、さらに労務担当の立場から「LegalOn」を利用されている塚本様の3名に、LegalOn導入の背景や具体的な活用方法、業務負荷軽減の成果について伺いました。
2名体制で月200件弱の契約審査に対応
(写真左から)塚本様、梶本様、森岡様
御社の事業内容について教えてください。
森岡様 当社は、ITフリーランスエージェント事業を展開する株式会社PE-BANK、システム開発事業のアスノシステム株式会社を傘下に持つ持株会社です。グループ全体の戦略立案に加え、法務を含むバックオフィス業務を一元管理しています。直近ではアスノシステムが「健康経営優良法人2026」に認定されるなど、社員の健康や働きやすさを重視した経営を推進し、グループの持続的な成長を支えています。
法務組織の体制や、日々の業務内容についてお聞かせいただけますか。
梶本様 総務部総務二課がグループ全体の法務を担っており、現在は3名体制です。主な業務は契約審査、法務相談対応、信用調査で、特に審査と相談対応が業務全体の7〜8割程度を占めます。契約審査は主に2名で対応しており、月200件ほどの案件を担当しています。対応する主な契約書の類型は、NDAや基本契約のほか、準委任・請負といった業務委託契約です。
森岡様 当社の契約案件で特徴的なのは、エンジニアと当社が一体となって契約主体となり、お客様と締結する「三者契約」が多い点です。一般的な委託・再委託スキームとは異なり、三者が並列の関係で契約するこの形態は業界内でも珍しく、相手側のひな形を使用する場合は、当社の関与形態や責任分担をどのように契約条項へ適切に反映させるかが重要なポイントになります。
御社特有の論点があるのですね。皆さまのご経歴についても教えていただけますか。
森岡様 総務部長の森岡です。組織の成長に伴い、約2年前に部内に法務機能を立ち上げました。前職は建築業界で、その後IT分野で独立し、フリーランスから会社を立ち上げ経営をしていた際に契約実務にも携わっていたため、法務経験は通算で5年ほどです。
梶本様 総務二課で法務を担当し、契約審査や法務相談対応、顧問弁護士との連携業務を担っています。法務キャリアは当社入社後にスタートしたので現在3年ほどです。
塚本様 私は主に労務を担当しています。契約審査には直接関わりませんが、社内規程の改定や過去契約書の整理・管理といった場面で「LegalOn」を活用しています。
依頼経路を一元化し、進捗を可視化

「LegalForce」「LegalForceキャビネ」は、どのような背景で導入されたのでしょうか。
森岡様 当時の大きな課題は、契約審査の属人化でした。担当者の異動によって交渉経緯が分からなくなり、トラブルにつながるケースもありましたし、ナレッジ共有の仕組みも整っておらず、法務相談の回答にばらつきが生じていました。グループのガバナンス強化を進める中で、すぐに専門人材を確保するのは難しかったため、AIによるレビュー結果を通じて契約リスクや修正の考え方を学べる点にも着目し、実務を回しながら自己学習できる環境の構築を目指して「LegalForce」を2023年9月に導入しました。
また、締結済み契約書はグループウェアで管理していましたが、検索性に課題がありました。そこで、ツール連携やコスト面も踏まえ、翌年10月に「LegalForceキャビネ」を導入し、契約管理の高度化を図りました。
その後、2025年9月に「LegalOn」へ切り替えられました。導入の決め手は何でしたか。
森岡様 いくつかのサービスを比較検討した結果、レビュー精度の高さに加え、レビュー結果から修正案作成までをシームレスに接続できる点を評価し、「LegalOn」導入を決めました。特に、過去契約の修正履歴や交渉経緯をナレッジとして蓄積できる点は、従前の課題であった属人化の解消に直結すると感じました。
塚本様 規程管理では別ツールも使っていましたが、新旧対照表の作成時に履歴が細かすぎて扱いづらい面がありました。その点、「LegalOn」は差分が明確で、関係者への共有もスムーズに行えると感じたことも決め手です。
案件管理ツールである「マターマネジメント」モジュールも導入されましたが、その背景を教えていただけますか。
森岡様 依頼経路の集約と進捗の可視化が目的です。以前はメールやチャット、口頭など受付窓口が分散しており、審査担当者や進行状況が把握しづらい状態でした。特に交渉が長期化すると、今誰がボールを持っているのかが不透明になりがちで、管理上の課題を感じていました。このような案件管理を一元化・可視化することで、チーム全体で確実に案件を管理できる体制を整えました。
業務スピード向上のコツを社内周知

LegalOn導入後の契約審査のフローについて教えてください。
森岡様 事業部からの審査依頼は原則メールで受け付け、「マターマネジメント」で一括管理しています。チャットツールなどで依頼が届く場合もありますが、情報の分散を防ぐため、基本的にマターマネジメントで総務が起案し直して集約する運用にしています。私が参画する以前はExcelで案件管理をしていたようですが、現在は運用効率が大きく向上しています。
登録された案件は各担当者で分担し、「レビュー」機能で審査します。契約審査と与信審査が完了した案件にはそれぞれ管理番号を付与し、事業部へ戻します。この2つの番号が揃うことで正式なリーガルチェックが完了したと見なされ、押印申請へ進む仕組みです。締結後は「コントラクトマネジメント」で契約書を一元管理しています。
LegalOn導入前後の契約業務フローの変化
「マターマネジメント」の浸透で工夫されたことはありますか。
森岡様 社内周知の徹底に注力しました。ポータルサイトでの告知に加え、新入社員研修や年2回の定期法務研修でも専用窓口の利用を促しています。工夫したのは、「事前に審査を済ませて管理番号を取得しておけば、その後の締結がスムーズに進む」という依頼側のメリットを明確に伝えたことです。単なるルールの強制ではなく、業務スピード向上という利便性を示すことで、無理なく浸透させることができました。
AIエージェントの活用で30%の業務削減

LegalOn導入で成果・効果はありましたか。
森岡様 AIが相談対応に必要な情報を自動収集する「マターマネジメントエージェント」により、約30%の関連業務削減につながりました。従来は、審査に必要な情報が不足していることも多く、その都度ヒアリングを重ねる必要がありましたが、現在はAIが依頼内容を解析し、不足情報を自動で依頼者に追加質問してくれます。総務部門では法務案件のリードタイム短縮を実感していますし、依頼側にもメリットがあると考えています。
マターマネジメントエージェントは、契約審査の依頼受付から対応完了までを自動化・高度化するAI機能です。依頼内容に不足がある場合には依頼者へ自動で追加質問を行い、必要情報を事前に収集。確認の往復を削減し、手戻りを防ぐことで、法務担当者の対応スピードと審査品質の向上を実現します。
情報収集の自動化による効果は大きいですね。
森岡様 はい。「マターマネジメント」の活用により、案件クローズまでのスピードは約2割向上しました。特に初動が大きく改善し、以前は何割かは対応漏れがあった「16時までの依頼に対しては当日中にファーストアクションをとる」という対応ルールが、現在は100%実行できています。
情報の集約と可視化によって判断の迷いが減り、迅速な対応が可能になりました。こうした効率化により、法務として本来注力すべき高度な法的判断に時間を割けるようになった点も、大きな成果だと感じています。
「使い倒す」姿勢でLegalOnの機能をフル活用

LegalOnで便利に使っている機能はありますか。
森岡様 「レビュー」機能は精度が高く、リスクチェック結果として、アラートごとに対応例やサンプル文が表示されるようになっています。そのため、従来のようにアラート結果を確認した上で担当者が個別に解釈する負担が軽減され、表示される情報をもとに修正内容を検討できる点が非常に便利です。また、Word環境上で契約リスクチェックをしながら編集を行うこともできる機能は、作業効率を落とさずに使えるため重宝しています。
他にも、「プレイブック」機能は、自社の審査基準を反映させるうえで欠かせません。例えば、グループ会社には法務機能がない場合もあるため、主語を「総務所管部署」に統一するといった、実態に即したルールを登録しています。
梶本様 実務においては、ワンクリックでAIが提示してくれた修正案を全部まとめて反映できる「One click AI Revise」は非常に便利で、初めて使った時は感動しました。契約書レビューの作業負荷を大きく軽減できています。
「One click AI Revise」は、AI契約書レビューで表示された複数のアラートをワンクリックで契約書に反映することができる機能です。契約書修正の作業時間と負担を大幅に削減し、法務業務の効率化・高速化に寄与します。
塚本様 社内規程の改定時には、「比較」機能で新旧対照表を作成しています。生成される表の精度が高く、ほとんど手を加えずにそのまま取締役会への提出資料として使える点が非常に助かっています。
森岡様 「LegalOnテンプレート」も非常に重宝しています。最近では、与信管理やマネー・ローンダリングに関する規程改定に使用しましたが、そのまま経営会議に提出できるほど完成度の高いひな形だと感じています。
また、業界特有の商習慣への対応にも役立っています。例えば顧客紹介契約では、実態としては紹介手数料に近い内容であっても、営業支援契約として扱われるケースがあります。当社には適切なひな形がなかったのですが、「LegalOn」のテンプレートをベースにすることで、実態に即した契約整備ができました。広告露出やロゴ掲載に関する契約についても同様に、テンプレートを活用することで内容の適正化を図れています。
上場会社水準のガバナンス構築を目指す中で、標準的なひな形をベースに契約書を作成する機会は確実に増えました。「LegalOnテンプレート」を活用することにより、これまで顧問弁護士に依頼していたドラフト作成の多くを内製化でき、コスト削減とスピード向上が両立できるようになりました。
LegalOnの機能をフル活用いただいている印象です。ツールを使いこなすコツはありますか。
森岡様 まずは「使い倒す」姿勢が大切だと思います。新機能が出たら積極的に試し、合わなければ見直す。その繰り返しです。重要なのは、開発側が「なぜこの機能を提供しているのか」「どのように使ってほしいのか」という意図を理解することです。目的を踏まえて使い始めることで、自社に最適な活用方法が見えてくると感じています。
「戦略総務」として事業にプラスの価値を
今後の法務組織のビジョンや目標についてお聞かせください。
森岡様 ホールディングスの管理部門はコストセンターと見られがちで、これまでは契約の最終段階でミスを防ぐ「守り」の役割が中心でした。しかし現在は、経営や営業の初期段階から関与し、価値を生み出す「戦略総務」への転換を目指しています。
法務も単なるリスク管理にとどまらず、事業成長に寄与する存在でありたいと考えています。LegalOnによって既存業務を効率化し、そこで生まれた時間を「攻め」の提案に充てていきたいですね。
どのような企業にLegalOnをすすめたいですか。
塚本様 業界や職種を問わず、誰でも直感的に使えるツールだと思います。私のようにスポット的に利用する場合でも、マニュアルなしで操作できるほど分かりやすく、導入のハードルは低いと感じています。
梶本様 契約審査はどの企業にも共通する業務ですし、「LegalOn」は専門知識がなくても使いやすい設計です。レビューから管理まで一貫して行えるため、幅広い組織の業務効率化に貢献できるのではないでしょうか。
森岡様 特に、法務専任部署がない企業や、他業務と兼務している担当者の方には適していると思います。すべての業務が「LegalOn」上で完結するため、多忙な中でもスムーズに対応できます。AIの指摘も実務でそのまま使えるレベルで、顧問弁護士とのやり取りにも活用できる信頼性があります。
(取材日:2026年3月)※掲載内容は取材当時のものです。