台帳不要で年間約100時間の工数削減 迷ったときに立ち返る“業務の起点”に
フォースタートアップス株式会社
コーポレート本部 法務グループ マネージャー 塩田貴大 様 コーポレート本部 法務グループ 下垣内俊貴 様
- 法務課題:契約関連情報がSlackやGoogle ドライブ、スプレッドシートに分散し、検索や進捗管理に時間を要していた状況
- 導入経緯:契約審査の受付から進捗管理、締結後の契約書管理までを一気通貫で行える点を評価しLegalOnを導入
- 導入効果:契約台帳作成を廃止し、年間約100時間の工数削減を実現。優先案件の可視化により判断・対応速度も向上
- 活用事例:マターマネジメントによる案件管理、類似契約検索や比較機能を活用した契約審査、約4000件の契約書一元管理
人材支援やデータベース運営、資金支援などを通じて、スタートアップや挑戦者を支えるフォースタートアップス株式会社。同社は2025年5月に法務AI「LegalOn」を導入、「マターマネジメント」「コントラクトマネジメント」の各モジュールをご利用いただいています。そんなLegalOnの活用方法や便利な機能、導入効果などについて、法務業務を担当するコーポレート本部の塩田貴大様と下垣内俊貴様に伺いました。
幅広い業種・業態の取引先と月100件の契約
コーポレート本部 法務グループ マネージャー 塩田貴大 様
御社の事業内容について教えてください。
塩田様 当社は「for Startups」というビジョンのもと、日本の成長産業と起業家を支える包括的な支援事業を展開しています。成長企業向けの人材支援を軸に、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」の運営や、大企業との協業を促進するオープンイノベーション支援を行っています。
さらに、ベンチャーキャピタルと連携した起業支援、国内最大級の成長産業カンファレンス「GRIC」の主催、自社プロデュースによるタクシーメディア番組の放映など、多方面から起業家や経営者の挑戦を後押ししています。
法務部門の組織体制や業務内容について教えてください。
塩田様 法務グループは、正社員3名と派遣アシスタント1名の計4名体制です。契約審査を主な業務とし、子会社分も含めて対応しています。加えて、事業部からの法務相談、新規事業のスキーム設計、全社のリスクマネジメント、コンプライアンス研修なども担当しています。その他、子会社が運営するファンドの事務局業務や開示対応も法務グループの役割です。
法務グループの皆様のキャリアについて教えてください
塩田様 私自身の法務歴は8年で、現在はマネージャーを務めています。もう一名のメンバーは6年のキャリアがあり、下垣内は先月からグループに加わりました。
下垣内様 長年法律を学んできましたが、法務としての実務経験は現職が初めてです。これまで学んできた知識を活かしながら業務に取り組んでいます。
扱う契約審査案件の数や扱うことが多い契約類型の種類について教えてください。また、御社ならではの取引先の傾向などあれば併せて教えてください。
塩田様 月間の契約対応件数は約100件で、業務委託契約が中心です。人材紹介事業では定型契約が多く、NDAや業務委託に付随する覚書も頻繁に扱います。一方、子会社では非定型契約の割合がやや高く、全体では定型が7割、非定型が3割ほどです。
取引先は、法務専任者がいない企業から大手企業までさまざまです。そのため、契約条件の認識に齟齬が生じないよう、丁寧なコミュニケーションを心がけています。
散在した情報の一元管理が導入の目的
コーポレート本部 法務グループ 下垣内俊貴 様
LegalOn導入の背景を教えてください。
塩田様 以前は過去案件の関連データややり取りの記録が複数のツールに散在しており、情報を探すだけで時間がかかっていました。審査に必要な情報を集めるために、Slack、Google ドライブ、スプレッドシートなどを横断して確認する必要があったのです。
また、法務の人数が限られる中で、全案件を個人の記憶に頼って管理するのは難しく、進捗の把握にも課題を感じていました。メンバーが増えるにつれ、誰がどの案件を担当しているのかを可視化できる仕組みが必要だと考え、案件管理機能であるマターマネジメントモジュールを搭載するLegalOnの導入を決めました。
同時にコントラクトマネジメントモジュールも契約いただいていますが、契約書管理での課題もあったのでしょうか。
塩田様 締結済み契約書はGoogle ドライブに保存、管理台帳はスプレッドシートで運用していましたが、人力での転記作業が必要で、期限管理も自動化されていませんでした。作業負担が重く、台帳は「記録としてあるだけ」で契約情報を業務や意思決定に活かせていなかった点が課題でした。
導入検討の中で、LegalOnを選んだ決め手は何でしたか。
塩田様 LegalOnを選んだ理由は、契約審査依頼の受付から進捗管理、締結後の契約書保管までを、ひとつのツールで一気通貫で管理できる点です。業務の流れを分断せずに運用できるため、管理の手間を減らせると感じました。また、新機能の開発から実装までのスピードが速く、将来的な業務改善にも柔軟に対応できる点ももう一つの決め手でした。
さらに、並行して検討した他社ツールは当社の業務プロセスと乖離している場合があり、導入ハードルが高いと感じました。一方でLegalOnは現行の業務プロセスを大きく変えずに導入できる点が魅力でした。まだ活用できてはいませんが、当社のコミュニケーションツールであるSlackとの連携もできますし。また、案件や締結済み契約書など、案件に関連する情報を紐づけられることも導入の後押しになりました。
LegalOnのSlack連携機能。案件情報のSlackチャンネルへの自動投稿やSlack上でのメッセージ送受信が可能に。SlackとLegalOn間でやり取りが同期され、案件管理を効率化。(※ マターマネジメントモジュールの契約が必要です。画像はイメージです)
契約審査の入口と出口をLegalOnで管理

LegalOn導入前の契約審査業務のフローを教えてください。
塩田様 導入前は、事業部側にSlackのワークフロー機能で基本情報を入力してもらい、契約審査の依頼を受け付けていました。ただ、必須項目が少なかったせいか記入漏れや追加確認事項が発生する場合が少なくなく、その都度依頼者にヒアリングする必要があり、この対応が大きな負担になっていました。
案件受付後は私たちがスプレッドシートに手動で転記し、担当者を決めて個別にレビューしていました。レビュー自体は基本的に人力で行い、補助的に生成AIを活用する程度。審査後の契約書は事業部に差し戻し、相手方との調整を経て電子契約で締結するという体制でした。締結後の契約書はGoogle ドライブで保管し、台帳も引き続き手作業で更新していました。
LegalOn導入後、フローはどのように変わりましたか。
塩田様 契約審査依頼の受け付けをすべてLegalOnのフォームに一本化しています。事業部には案件受付フォームから起票してもらい、登録された案件を法務グループ内で割り振ってレビューする流れです。案件受付フォームは事業部ごとに約20パターン用意し、必要事項を漏れなく入力してもらうことで、導入前に発生していたヒアリング作業はほぼ不要になりました。
締結済み契約書はすべてLegalOnに格納しています。これまでGoogle ドライブに保管していた約4000件の過去契約書も移行済みです。
LegalOn導入前後の契約書管理フローの変化
案件依頼に新たなツールを導入することについて、依頼部署からの苦情はありませんでしたか。
塩田様 審査依頼のフロー自体は従来と大きく変えていませんし、事前に説明会を実施してしっかり情報共有したこともあり、事業部への浸透はスムーズでした。
関連文書のレコメンド機能は自社基準のキャッチアップにも使える

LegalOnでお気に入りの機能はありますか。
塩田様
コントラクトマネジメントの手動補正機能は、とても便利だと感じています。LegalOnのOCR(画像をテキストデータに変換する機能)は精度が高く信頼できますが、それをさらにオペレーターが確認・補正してくれることで、格納した契約書の情報に対する信頼性が一層高まり安心して活用できます。
目視確認が必要な箇所にはオペレーターの方からコメントが付くことも実際にありました。契約書の問題点や注意すべき点に気づけたので非常に助かりました。契約書の書式や取引形態が多様な当社にとって、精度と実用性を両立できている点は非常に心強いです。
下垣内様 私は現在、業務委託契約を中心に担当しているのですが、まだ新任のため、過去の類似案件を参照しながら理解を深めています。その中で、「類似契約書の管理」機能は非常に有用です。過去の契約書から類似する契約書をレコメンドしてくれ、検索もできるため、自力で探す手間を省きながら、これまでの当社の対応方針や考え方がどうだったかを、実務に即して学べています。
案件に付与されたさまざまな属性情報をもとに、取引先・契約類型などをベースとした独自のアルゴリズムで参考となる案件や契約書をAIがレコメンドする機能。過去案件を探す手間を大幅に削減。(※ 画像はイメージです)
また、契約内容の差分を一目で把握できる比較機能も重宝しています。細かな修正点を追う負担が減り、契約の背景や意図を考える時間をしっかり確保できるようになりました。
導入後の成果・効果について教えてください。
塩田様 最も大きな成果は、契約書管理業務の効率化です。これまで手作業で行っていた台帳作成が不要になり、年間で約100時間の工数削減につながりました。
加えて、ホーム画面上に納期の近い案件や期限の近い契約書といった優先度の高い情報やアクションを目立つように表示してくれるため、「今自分が何をしなければならないか」がすぐわかり、対応漏れも防げています。月100件近く対応しているとさすがに覚えるのが大変なので。また、チームメンバーがどの案件を対応しているか簡単に把握ができ、また各案件のステータスも細かく見える点も非常に助かっています。
下垣内様 業務に必要な情報や作業がLegalOnに集約されたことで、知識のキャッチアップが格段にしやすくなりました。以前は複数のツールを行き来しながら業務の進め方を覚える必要があり、それ自体が負担でしたが、現在は業務フローが一本化され、「どの順序で進めればよいか」が明確になりました。
その他、業務効率が改善したことによる副次的な効果はありましたか。
塩田様 LegalOnによる業務効率化で生まれた時間を活かし、事業部の新規事業の検討等により深く関われるようになりました。法改正や規制動向を踏まえ、新しい事業展開の相談に応じる時間も捻出できています。現在はまだ移行期ですが、来期以降体制が整い、LegalOnを前提とした運用が定着すれば、法務としてより積極的に事業成長にコミットできると考えています。
「事業成長を実現する法務」を目指して

AIの活用を含め、法務組織の今後のビジョンや目標を教えてください。
塩田様 法務グループのビジョンは「事業成長を実現する法務」です。我々の存在意義は、会社の成長にどう貢献できるかにあり、そのためにAIの活用は不可欠です。ツールを最大限に活用し、業務効率を高めることで、事業成長のスピードを加速させたいと思います。逆に活用が不十分で、スピードが遅れれば、法務自体が事業のブレーキになりかねません。そこは強い意思を持って取り組んでいきたいですね。
下垣内様 AIの登場により、法務に求められる仕事の質は一段と高まっていると思います。契約書作成にAIが利用されることが当たり前になり、誰でも一定水準以上の精度で契約書が作成できるようになった今日において、法務の役割は単に契約書の誤りを修正するだけの作業にとどまらなくなりました。ビジネスの視点から「より良い条件にするにどうすべきか」を考え、実行することが求められています。契約審査も機械的な作業から脱却し、経営や事業への影響を踏まえた判断を行うフェーズに入っているので、付加価値を発揮できる法務であり続けたいと考えています。
LegalOnをどのような企業、法務部にすすめたいですか。
塩田様 契約件数が多く、業務を効率化したい企業や法務部には特におすすめです。類似契約書のレコメンドや関連文書の紐付け機能は、データが蓄積されるほど価値が高まります。当社のように契約審査業務を同一ツールで管理したい企業には、非常に相性が良いと思います。
下垣内様 複数の事業や契約を抱え、情報を一元管理したい企業の法務部におすすめしたいですね。私は日常的にLegalOnのページを開き、迷ったときや判断に悩んだときには、必ずここに立ち戻ります。自分にとっての“業務の起点”であり、判断を支えてくれる心強い存在です。LegalOnに触れる時間が増えるほど、仕事の選択肢や視野が広がっていく感覚があります。
(取材日:2025年12月)※掲載内容は取材当時のものです。